|
|
こんなこと考えて活動しています |
平山知子 |
|
私の弁護士活動の原点は、「民主主義と平和」です。
民主主義とは、「私とあなたとは意見が違う、でもあなたが自分の意見を言う自由はどんなことがあっても守り抜く」というのが、その基本だと思います。
つまり意見の違い(思想・信条・宗教などの違い)で人を排除したり、暴力や恫喝で相手を押さえつけることをしないで、「共に生きることを認め合う」ことではないでしょうか。そこから人間の尊厳や人権を守る大切さが出てくるのだと思うのです。
国と国の関係も同じです。だから「共に生きる社会や世界を作る」ために、どうしても必要なのが平和。日本国憲法の前文と9条に凝縮されています。
来年は、敗戦から70年。安倍内閣は、2014年7月1日、この憲法下で「集団的自衛権を認める閣議決定」を遂にしてしまいました。まさに解釈壊憲です。2013年12月には、特定秘密保護法を制定し、国家安全保障会議を設置しました。日本を、アメリカと一緒に戦争ができる国にしようというのです。戦争をする国では、いろいろ秘密が出てきます。それを国民には知らせない、知ろうとするものを処罰して、秘密のうちに国家安全保障会議という戦争の司令塔を作って、戦争を始められるようにしようとしているのです。戦争する国では、戦争をする「おかみ」にたてついて、事実を知ろうとしたり、戦争反対や平和の声を上げる「民(たみ)」があってはならいないからです。
でも、今は「平和」を叫んで国家から殺されるところまでは、まだ行っていない、つまりまだ日本国憲法があるのです。戦争で死ぬことも、「平和」を叫んで」国家から殺されることも私はいやです。そういう殺され方だけはしたくないのです。70年前に、こどもながらそういう時代をかいくぐって命をつないできた私です。ですから、絶対に歴史を後戻りさせてはならないと思っています。
「徴兵は命をかけても阻むべし 母・祖母・おみな牢にみつるとも」
これは、1978年の朝日歌壇に載った石井百代さん(当時75歳)の歌。石井さんは、兄、甥、2人の従兄弟、義弟を戦争で亡くしています。この石井さんの歌が今、とても現実味を帯びてきてきました。私の心境も同じです。
いつまでも、「民主主義と平和」を原点として活動できる「民(たみ)」であり、弁護士であり続けたいと思っています。(2014.9.8記)
|
|
|